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 翌日、耕平は、理奈と恭子を自分の部屋に招いた。名目は、今回のビデオ撮影の打ち上げだ。近所のコンビニでポテト・チップスや割きするめ、バター・ピーナッツなどを買い込み、ピザ屋にピザを注文すると、それでもなかなか本格的な打ち上げパーティーの雰囲気になる。それぞれに缶ビールを回すと、乾杯した。
「今まで何本か耕平と一緒にビデオの仕事してるのにさ、打ち上げなんてするの、これが初めてなんだよ。部屋にも一度も入れてくれたこと、無いしさ」
 理奈が不愉快そうに言う。どうやら耕平が、恭子目当てに急にこんなことを言い出したと思っているらしい。
 ただ、早くも嫉妬してくれるのはありがたい。今回の作戦には、理奈の嫉妬心が大事な要素になるのだ。
「まあ、小さいことは気にしないで、乾杯、乾杯!」
 耕平は理沙の疑念を晴らすことなく誤魔化してしまった。恭子は恭子で、笑ったついでに耕平の腕にしがみ付いたりして、理奈を挑発する。
 恭子の挑発に、理奈は素直に反応した。自分も負けずに耕平の腕にしがみ付いたり、耕平と恭子の間に割って入って、なんとか二人を引き離そうと必死になっている。そんな理奈のひた向きさには、心打たれるものがある。
(こんな良い娘を、俺は踏み付けにしようとしているんだよなあ)
 いっそ計画を中止しようかと迷ったが、もう耕平には後戻りの道は無いのだった。


 一人充て二本用意した缶ビールはすぐになくなった。まあ、日頃の三人の酒量から考えると、これで足りる訳が無いのだ。
「ビール、もう無くなっちゃったよう。耕平、買って来てよう」
 理奈が甘えてそうせがむ。
「私はいいわ。もう酔っちゃったみたいだから」
 すかさず、恭子がそう言う。理奈がむっとなる。どうせ私は大酒飲みですよと言いたげな表情で恭子を睨み付ける。
「そう。じゃ、後は私と耕平だけで飲むから、あなた、もう帰ったら?」
「酔っ払ったら眠くなってきちゃった」
 理奈の言葉を無視するように、恭子が呟く。
「耕平、私、今日泊まっていってもいい?」
「え? 泊まっていくの?」
 駄目押しのように、耕平が訊く。当然これは、理奈に聞かせているのだ。
「酔っ払ったら、家まで帰るの面倒臭くなっちゃった」
「じゃ、ちょっと待ってなよ。今、蒲団敷いてあげるから」
「耕平! ビール! 私のビール!」
 意地になって理奈が叫ぶ。耕平は、蒲団を敷きながら理奈に言った。
「理奈ちゃん、今日はもう、お開きにしようか」
 見る間に、理奈の顔が赤く染まっていく。
「何で? まだちょっとしか飲んでないじゃない!」
「うん、でも、なんだか俺も眠くなってきたし」
 理奈の体が怒りで震えている。恐ろしい形相で、寝たふりをしている恭子の背中を睨み付けている。
 耕平は緊張して理奈の様子を窺っている。一体理奈は、次にどういう行動を取るだろうか。「もういい!」などと言って怒って帰ってしまったら、この作戦は失敗に終わる。
「やっぱり私もお酒要らない!」
 理奈が叫ぶ。そして、恭子に背中を向ける形でごろんと横になる。
「私も眠くなってきたから、泊めて!」
 耕平はほっと肩の力を緩める。理奈は、耕平の期待通りの反応をしてくれた。


 計画の第一段階、成功。理奈を耕平の部屋に泊めることに成功した。しかも、まだほとんどシラフの状態で。


「それじゃ、今日は三人で寝ようか」
 そして耕平は三人分の蒲団を敷いて、これも作戦のうちなのだが、黙って恭子を抱き上げて、蒲団のところまで運んでやる。恭子は寝ぼけたふりをして、公平の首に両腕を回す。
「理奈ちゃん、理奈ちゃん、蒲団が敷けたよ」
 理奈には声を掛けて、自分で蒲団のところまで行かそうとする。理奈は寝たふりをして、返事をしない。


 計画の第二段階、早くも成功。理奈に寝たふりをさせることができた。


(もしかしたら、俺って天才かも)
 理奈は怖いくらいに、耕平の思う壷にはまってくれる。あまり酔ってしまわないうちに酒を止めさせる。この部屋に泊まらせる。寝てもいないのに寝たふりをさせる。全て、耕平の期待通りの行動だった。
 耕平は理奈をお姫様だっこで抱き上げて、そっと蒲団の上に寝かせてやる。そして電気を消すと、二人の間に敷いた蒲団に横になる。
 時間はまだ九時過ぎである。特に早寝早起きの習慣のある訳がない三人にとって、寝るには余りに早過ぎる時間だ。中途半端に飲んだアルコールは逆に興奮剤の作用をして、頭を冴えさせている。お互いにじっと寝たふりを通しながら、我慢大会のような時が過ぎる。
(二十分だ)
 理奈の性格からして、三十分放っておくと、もう我慢できなくなる惧れがある。がばっと起き出して、
「やっぱり眠れない! お酒が飲みたい!」
 などと騒ぎ出されたらそれで終わりだ。ちょっと早い仕掛けだが、それ以上は延ばさない方が無難だ。


 二十分が経った。耕平はこっそりと身を起こし、恭子の蒲団の中に潜り込んで、そして恭子を抱き締める。
 恭子の方も、昨夜の電話の打ち合わせで段取りは心得ている。いつの間に用意していたのか、恭子は蒲団の中で、もう服を脱いでいた。
「ああんっ!」
 耕平が乳を揉むと、恭子は理奈に聞かせるように嬌声を上げた。わざと音を立てて寝返りし、隣りで何が始まったのか、理奈に教える。
 理奈は身動きしない。蒲団の中で、じっと息を詰めている。


 計画の第三段階。理奈の隣りでSEXを始めることで、理奈が起きて来にくい雰囲気を作る。


「嬉しい、耕平。もっと強くして」
 唇を重ね、ぎゅっと抱き締められ、恭子は甘えた声を出した。もちろんこれも、理奈に聞かせているのである。
 しかし、こんなことを長く続けていることもできない。気の強い理奈のことだ、そのうち我慢の限界が来て、がばっと身を起こし、
「私、帰る!」
 と出ていってしまうに違いない。そうなる前に、次の仕掛けに移らなければ、
「ああっ!」
 耕平が恭子の耳に息を吹き掛ける。耳は恭子のウイーク・ポイントだ。恭子が本気で身悶える。
 実は、耳に息を吹き掛けることが、次のステップに移る合図だった。恭子は耕平の首に抱き付いて、そして囁く。
「お願い、耕平」
「なんだい?」
「縛って」
 隣りの蒲団の中で、理奈の肩が微かに揺れる。こんなところでSMプレイが始まるとは思っていなかったのだろう。
 ともあれこれで、理奈はますます簡単には起き上がれなくなる。
「縛ってほしいの?」
「うん。ぎゅうっと、縛って」
「分かったよ」
 耕平が立ち上がる。耕平の麻縄は、部屋の隅の箪笥の一番下の引き出しに仕舞ってある。耕平と恭子の位置から言うと、箪笥は理奈の蒲団を挟んだ反対側にある。耕平は、音を立てて理奈を起こしてはいけないという素振りでそっと、枕元を行き過ぎた。
 箪笥の中から取り出した縄束の中から、耕平はわざと一本、縄を取り落とした。そしてそれに気付かない素振りで、恭子のところに戻っていった。
 相変らず理奈は、恭子と耕平の二人に背中を向けた姿勢のままである。だが、理奈の目の前には、麻縄が一本、禍々まがまがしい蛇のようにとぐろを巻いている。


「ああああっ!」
 素っ裸にかれ、き海老縛りで固定された恭子は、股間にバイブレーターを押し込まれて本気で悶えた。バイブの舌はクリトリスをくすぐり、もう一つの突起はお尻の穴に食い込んでいる。三個所同時に振動を受けて、恭子はもう半狂乱になっている。
「い、いくうっ! ああ、いく、いくっ! ああ、いくうっ!」
 そして恭子の体が一段と激しく痙攣する。強烈なオルガスムスを迎えた後、恭子の全身からぐったりと力が抜けた。
 本当は、こうなってからさらに女を責めるのが耕平の好みなのだが、今日の主役は恭子ではない。理奈だ。耕平は迅速に恭子の縛めを解くと、恭子を抱き上げ、そして恭子の耳元で、次のステップに移る合図の言葉を口にした。
「素敵だったよ、恭子」
 恭子は虚ろな目で耕平を見詰め、唇を重ねてくる。そして耕平の胸に身を預けると、右手を耕平の股間に伸ばしてくる。
(いや、そうじゃなくて)
 素敵だったよ、恭子のセリフは、次のステップに移る合図だったのだ。おそらく強烈なエクスタシーのために、恭子の頭はまだ朦朧としているのだろう。耕平の一物を固くしようとして手を動かし続ける恭子をもう一度抱き締め、耳元でもう一度囁く。
「素敵だったよ、恭子」
 恭子は、うっとりとした、蕩けそうな笑顔を耕平に返してくる。
「嬉しい」
(駄目だ。恭子の奴、完全に忘れている)
「素敵だったよ、恭子」
 小声で、それでいて怒ったような調子で、耕平はもう一度繰り返す。同じ言葉を三度言われて、さすがに恭子もはっと気が付く。慌てて何を言うべきだったのか、思い出す。
「ねえ、理奈ちゃん、起きてるんじゃない?」
 理奈の肩がびくっと動く。本当に正直な娘だ。
「ええ? そんなこと、ないだろ?」
「そうかなあ。大丈夫かなあ」
 耕平は、ゆっくりと理奈に近付いていく。こくっと、生唾を呑み込む音がする。
 耕平はそっと理奈の肩に手を置き、少し揺さぶってみる。
「理奈ちゃん?」
 小さな声で、恐る恐る呼び掛ける。
「ううん」
 理奈は小さく寝言のようなことを言って、耕平の手を外すようにして寝返りを打った。理奈の体がうつぶせになる。
(やった!)
 理奈は完全に耕平の罠にはまった。


 第三段階。寝たふりをしている理奈を、縛り上げる。そのために、理奈にはもう少し寝たふりを続けてもらわなければならない。


 意地っ張りの理奈は、寝たふりをし始めたら、むきになって寝たふりを通すだろうという計算が耕平にはあった。だからこそ、こんなややこしい芝居を打つことにしたのだ。
 しかも理奈は、さっきまでの恭子と耕平のSMプレイを散々聞かされて、かなり興奮しているはずだ。そのことも、理奈の決断力を鈍らせる助けになるに違いない。
 振り返ると、下着だけを身に着けた恭子が、縄の束を持って後ろに立っている。そのうちの一本をつかんで、ゆっくりとしごく。
 理奈の両手を持って、背中に回していく。まさか自分が縛られるとは思っていなかったのだろう。理奈の腕が動揺で硬くなるのが分かる。
 構わず耕平は、理奈の両腕を背中の方に捩じ上げていく。
 理奈の腕は緊張でがちがちに硬くなって、しかも後ろ手に纏められることに対する抵抗感もある。だが、一度背中に纏められてしまうと、おとなしくその姿勢を保っている。
 怖いような、なにかを期待するような、理奈の微妙な心理が伝わってくる。
 耕平はその腕に、縄掛けした。
 乳房の上の方に腕を差し入れて隙間を作り、素早く胸縄を打つ。最後にぎゅっと引き絞る時、理奈はうっと小さく呻いた。
 理奈を抱き起こす。理奈は耕平の胸に頭を預けてくる。相変らず寝たふりを続けているのだが、よく見ると唇が小さく震えている。
(怖いんだな)
 可哀想だなと思う反面、いや、このまま、自分の本当の願望に背中を向けたまま生きていくことの方がずっと可哀想だと思い直し、心を鬼にする。
 胸の下に胸縄を通す。止め縄をする。肩から胸にかけて飾り縄を施し、高手小手縛りが完成する。
 恭子は、理奈の下半身を裸にいている。理奈の脚は、服を脱がせないように抵抗したり、逆に脱ぎやすくなるように動かしたり、理奈の心の揺れを映した複雑な動き方をしている。
 耕平は理奈の胸元を肌蹴させ、双つの乳房を剥き出しにする。理奈の唇の震えはますます激しくなり、がちがちと歯が鳴る音まで聞えてくる。
 不安そうに眉根を寄せて、肩をすぼめ、全身がちがちに緊張していて、もう傍目から見ても目が覚めていることは丸分かりなのに、それでも理奈は寝たふりをしている。健気けなげと言えば、こんな健気な娘は居ない。
 恭子が、例の巧みな愛撫を始める。お尻の穴や膣の入り口、クリトリスに繋がる割れ目の周辺を、指先を押し付けるようにして撫で上げていく。あっと叫ぶ口をしたまま、理奈の頭が後ろにぐっと反る。
 それでも理奈は声を上げない。ぐっと飲み込んで我慢している。頭を振り動かすこともしない。寝ている人が頭を振りたくるのは不自然だと思っているのだろう。
 耕平は理奈を後ろ抱きにし、胸縄から食み出しているお乳をぐぐっと?み、乳首をくすぐる。理奈は両肩をすぼめて頭を下げ、必死で胸を庇おうとする。それだけ明らかな反応を示していながら、理奈はまだ、寝たふりを止めない。
 恭子は、さっき自分の股間に埋められていたバイブを丹念にアルコールで消毒し、新しいゴムを上から被せる。
「私は病気持ちじゃないけど、一応ね」
 そしてそのバイブをずぶずぶずぶと理奈の股間に埋める。次に起こることを予感し、理奈の体がぐっと身構える。
「あはあっ!」
 案の定、スイッチを入れたとたん、理奈の体が激しく反応した。全身がびくんと飛び跳ねて、思わず大きい声を出してしまう。
「え? なに、これ? なんなの?」
 これ以上は意地を張り通せないと観念したのだろう、理奈はようやく、寝たふりを止めた。それでもまだ、今始めて自分が縛られているのに気が付いた演技を必死で続けている。
「どう、理奈ちゃん? 生まれて初めて縛られた気分は?」
「どうして? どうしてこんなことするの? いや、もうやめて」
 言葉では必死に抵抗しているが、いつもの激しい口調ではない。耕作を見詰めるその目は、早くも縄酔いして、とろんとした目になっている。
「あっ! あああんっ!」
 恭子が、もうこれ以上茶番に付き合うのは面倒臭いと思ったのだろう。バイブの強度を一気に最強に上げた。理奈の体が一本の棒のように硬直し、凄まじい叫び声を上げながら理奈は昇天した。
 恭子がバイブの強度を半分に下げる。だが、まだ止めない。まだアクメの余韻から冷め切っていない理奈の体は、ひくひくと痙攣を続けている。
「お、お願い、止めて」
「止めてって、なにを?」
「ああ、お願い、もう、痛いの、止めて。バイブを、止めて」
「そう。バイブを止めてほしいの」
 理奈がこくこくと頭を縦に振る。
 その頭を、恭子が床に押し付ける。ごんと鈍い音が鳴って、理奈の頭が床に押し付けられる。
「だったら、止めてじゃないでしょう。止めてください、でしょう」
「ああ、お願い、もう、止めてください」
「お姉さま、お願いですから、止めてくださいというのよ」
「お、お姉さま、お願いですから、もう、止めてください」
「もう一度!」
「あああ、お姉さま、お願いですから、お願いですからお止めください」
 恭子が、冷ややかな笑みを浮かべた。耕平が、思わずぞっとするような、冷たい笑いだった。
「駄目よ。止めてあげない」
 そして恭子は再びバイブの強度を最強に上げた。理奈の体ががくがくがくっと震え、再び理奈は絶叫した。
「す、すげえ」
 耕平は初めてみた恭子のサディスト振りに呆然としている。
 今まで、耕平は恭子のマゾヒストとしての顔だけを見ていたのだが、むしろ今の恭子の方が生き生きして見える。本当は、今の恭子の方が本来の恭子なのだろうか。
「ちょっと耕平、なにしてるのよ」
「え? いや、今日は恭子ちゃんに任せようかなと思って」
「なに言ってんのよ。最初に言い出したのはあなたでしょ? ほら、早く手伝って」
「あ、はい」
 近付いてみると、立て続けに二度のアクメを経験して、理奈はもう失神寸前の状態に見えた。
「お、お願いします。バイブを、バイブをもう、」
 その理奈の耳元で、恭子が囁く。
「良い子ね、理奈。理奈は本当に良い子だわ。お姉さま、理奈のことが大好きよ」
「ああっ」
 理奈が、甘えたように、恭子の頬に頬擦りしてくる。
「良い子だから理奈、あと二回だけ、我慢しましょうね。あと二回、お姉さまにいくところを見せてくれたら、バイブを抜いてあげる。いいわね?」
 理奈の頭が、こくこくと縦に動く。恭子が再びバイブの強度を上げると、があっというような凄まじい声を上げて理奈の体ががんがんと撥ねた。


 理奈の縄を解いて、残っている衣服を全部剥ぎ取る。理奈はもう茫然自失の状態で、何をされてもされるがままになっている。時々恭子がキスを求めると、理奈は素直に目を閉じる。恭子はまた、理奈の顔を無理矢理耕平に押し付けたりするのだが、その時も理奈は、素直に耕平と唇を重ね、舌を入れてくる。
 耕平が理奈の両手を前に揃えさせ、一つに括る。
「お願い、もう許して」
 だが、口で哀願する以外に、どんな抵抗をする訳でもない。耕平は合わせた両手を頭の後ろに回させ、両方の二の腕に固定する。胸には胸縄を這わせ、腕を止めた縄の余ったものをそれに繋ぐ。
 そうして両手を固定した状態で、耕平は理奈にフェラチオをさせる。理奈はまだ夢心地の状態のまま、一心に耕平の一物をしゃぶる。
「うふっ」
 時々、切なそうに息が洩れるのは、恭子が悪戯をするせいだ。後ろから股間に手を回したり、乳房を揺すったり、首筋を舐めたり、恭子は色々なちょっかいを出してくる。
 それでも理奈は、大人しく恭子のされるがままになりながら、やはり耕平の股間のものをしゃぶり続けている。


「あっ!あはあっ!」
 両手を固定されたままの理奈が、耕平に刺し貫かれる。散々バイブで感じさせられた後だけに、感じ方もまた強烈だった。耕平が入って来たとたんに、理奈は耕平をぎゅうっと締め付け、そして全身をぶるぶると震わせるのだ。
 耕平がゆっくり、腰を使い始める。
「あああっ! あはあっ! い、いい、耕平、いい!」
 そんな理奈の首筋を、恭子が裸足で踏み付ける。
「耕平じゃなくてご主人様だろ? いい、じゃなくて、いいですだろ?」
「ご、ご主人様、ああっ!」
 理奈の体が痙攣する。
「いいです。すごくいいです」
 ふふっと笑いながら、恭子が箪笥の中を探す。中から見つけ出してきたのは、毒々しく赤い色をした、太めの低温蝋燭だった。恭子はおどけながらそれを耕平に見せ、そしてライターで火を点けてみせた。耕平は呆れた顔をする。
「恭子、お前も執念深いな」
「こんないいもの、お嬢ちゃんにも味を教えてあげなくっちゃあね」
 昨日、理奈に、蝋燭を垂らされて熱い目をして感じるなんて私には理解できない、という意味のことを言われた。だから、蝋燭責めで理奈を悶え狂わせてやりたい。
 ふと見ると、理奈の顔が恐怖で引き攣っている。やめてという様子で、しきりに頭を振っている。
「お姉さま、お許しください。それだけは、やめてください。」
「駄目よ」
 冷ややかに言い放つと、恭子は蝋燭を傾けた。熱に溶けた蝋涙が、理奈のお腹に数滴、垂れた。
「熱ういっ!」
 理奈の体がぶるぶるっと震える。
「おおっ!」
 同時に耕平も声を上げた。蝋が垂れた瞬間、理奈の膣がぎゅゅうっと耕平を締め付けたのだ。その気持ち良さに、耕平は一瞬、思わず腰の動きを止めた。
 気持ちが良かったのは理奈も同じらしい。熱いと叫んだ次の瞬間、理奈の表情が何とも言えない恍惚としたものに変わった。
 恭子は、そんな理奈の反応を楽しむように眺めている。蝋を数滴、垂らしただけで、あとは理奈の微妙な表情の変化を楽しんでいる。
 熱さも快感も山を越えたと見た瞬間、恭子は次の数滴を理奈に垂らす。
「ああっ! い、いやあっ!」
 次の数滴が垂らされる。
「あっ! ああっ! く、くううっ」
 そこから先は、もう闇雲に蝋を垂らし続ける。理奈の白い肌のあちこちが、赤い蝋涙で埋められていく。理奈は狂ったように叫び続けるし、体中を揺り動かし続ける。そして耕平も、腰を使い続けている。
「あちっ」
 突然、耕平が叫んだ。耕平の下腹にも、蝋が落ちてきたのだ。
「おい、俺は勘弁してくれよ」
「馬鹿、もっと腰を動かして!」
 見ると、理奈が全身を震わせて悶えている。最後の蝋涙が、理奈のクリトリスを直撃したのだ。
 耕平の一物が締め付けられる。それこそ、食い千切られるかと思う位に強く締め付けられ、その締め付けがいつまでも去らない。
「く、くそおっ!」
 耕平は、やけくそになって腰を激しく動かす。耕平の恥骨が、理奈の恥骨にがんがんぶつかる。
「あっ、あっ、あっ、あっ、ああっ! あ、あはあっ!」
 理奈は狂ったように頭を振りたくり、けもののような叫びを上げ続ける。
「いいの、理奈? 蝋を垂らされるのがそんなにいいの? 蝋燭でいじめられるのが、そんなに嬉しい?」
「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」
「返事しなさいよ。返事しないと、またクリちゃんの上に落としちゃうわよ。どうする?」
「……さい」
「なに?」
「クリちゃんに、垂らしてください。あっ! あはあっ!」
「あちぃっ!」
 また、耕平がとばっちりを喰う。今度は手元がかなりれたみたいで、耕平の臍の辺りから陰毛の生え際にかけて、大量の蝋が落ちてきた。
「き、恭子! お前、わざとやってるだろう!」
「違うよ!」
 次の瞬間、耕平は強烈な力で締め付けられる。理奈の体が太鼓に反って、頭の先から足先まで、がくがくがくと痙攣しているのが分かる。
「わ、うわ、す、すげえ! うわっ! こ、これは!」
「耕平! 腰を動かせ!」
「お、おおうっ!」
「もっとガンガン! ガンガン動かして!」
「おう! おう! おう!」
「死ぬ気で突くんだよ! 死ぬ気で!」
「お、おおう! おおおおう!」
「そのままいっちゃうんだ! やめるな! がんばれ、耕平!」
「お、お前、やっぱり、ついでに俺のこともいじめてやろうと思ってただろう! あ、ああ、いく!」
 その間も、理奈のあそこは締まり続けている。体も太鼓に反ったままだし、連続する絶叫も少しも途切れない。すっかりスイッチの入ってしまった理奈は、もう高みから下りてこられなくなってしまったようだ。
「う、うおうっ!」
 耕平は一物を引き抜いて、付けていたゴムを毟り取ると、理奈のお腹にスペルマを飛ばした。
 事が終わっても、理奈の体の痙攣はひくひくと止まらなかった。耕平が腕の縄を解いてやっていることにも気付かないように、理奈はじっと目を閉じて、荒い息を吐き続けていた。
「今日はもう、理奈は起きられないだろうな。このまま、朝まで寝かしておいてやろうか、あっ」
 突然、恭子に飛び付かれて、思わず耕平は悲鳴を上げた。恭子はぎゅっと耕平を抱き締め、股間の辺りをぐいぐい膝に押し付けてくる。恭子の股間は燃えるように熱く、そしてぐしょぐしょに濡れていた。
「お、おい、恭子」
「耕平、あたしを縛って」
 そして、耕平の首筋を、犬のようにぺろぺろ舐め始める。
「早く縛って。私を滅茶苦茶にして」
 恭子は耕平にキスをして、狂ったように舌を吸った。

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