「いやああああっ!」
逃げる美姫を男たちが追い回す。手に触れるものを端から投げ付ける美姫。男たちの一人が、美姫の頬を張ると、床に転がった美姫の抵抗が少し弱まる。その隙を突いて、男たちは一斉に美姫に飛び掛かっていった。
「あああっ! やめて、やめてえっ!」
目からぽろぽろと大粒の涙を流す美姫。だが、男たちは容赦しない。いや、美姫の涙に昂奮して、男たちはさらに荒々しく、美姫を組み敷こうとする。
一人の男が、美姫のブラウスの前を乱暴に開く。釦が弾け飛んで、美姫の煽情的な乳房が現れてくる。
別の男が美姫の頭を持ち上げて、唇を奪う。男の舌と、美姫の舌が絡み合う。
三人目の男は、美姫の両脚を抱えてスカートをたくし上げ、パンティを脱がそうとしている。四人目の男が、露わになり始めた美姫の股間に手を突っ込んで、クリトリスの頭を撫で始める。
「ぐうっ!」
唇を塞がれたまま、美姫が呻く。男たちの愛撫によって、美姫の体にも火が点いたようだった。
やがて美姫は、一糸纏わぬ裸にされた。美姫の股間には巨根が売り物の男優のペニスが深々と突き刺さっている。そして美姫の口は、別の男優のペニスで塞がれている。
美姫にフェラチオしてもらっている男優の後ろから、別の男優が美姫の両手を押さえ付けている。美姫の両手は、バンザイの形で固定されてしまっている。
四人目の男優と五人目の男優は、仲良く頭を並べて、美姫の乳首を一つずつ咥えて舐めている。空いている両手は、美姫の乳房や耳や太腿などを、縦横無尽に刺激し続けている。
そして美姫の股間にペニスを挿入している巨根男優の背後には、マニアックさが売りの六人目の男優が居て、さっきから美姫の右足、左足の指を舐めたり、咥えたり、飽きること無く責め続けている。
「ぐふっ! ぐふぅっ!」
美姫はずっと、切なげな声を上げ続けている。六人の男優に体の隅々まで愛撫されて、本気で感じている様子がありありと見える。
だが、今美姫に挿入している巨根男優は、持続力の長さも売りにしている。美姫が二度、三度エクスタシーを迎えても、男優はピストン運動を止めることは無いだろう。
そして彼の後ろには、五人の男優が控えている。それぞれの男優が、女をいかせるプロであり、いくまで持続させることのプロでもある。
そんな男優たち全員を満足させ切った時、美姫は一体どうなっているだろうか。それは考えるだに恐ろしい仕打ちであった。
現に、既に美姫は崩壊の兆しを見せ始めている。耕平とのセックスでは一度も見せたことの無いいやらしい腰使いで男優に迫り、耕平には一度も聞かせたことの無い断末魔の喘ぎを発し始めている。
「い、いくっ! ま、また、いくっ! ぐっ! くふうっ!」
既に美姫の全身は汗でびっしょりになっている。夢中になって男優の首筋や肩にキスの雨を降らせ、男優の背中に爪を立てている。
それでもこの巨根男優は、いく気配を見せない。美姫はぐんっと背中を反られ、両手でシーツを掴み、枕に頭を、顔を押し付ける。腰は別の生き物のようにぶるぶると震え、足先は宙にのの字を書き続けていく。
「うおおおおっ!」
突然、巨根男優が吼えた。どうやらようやく、フィニッシュに近付いてきたらしい。
「いくぞっ! いくぞぅっ!」
「い、いって! は、早くいってぇっ!」
美姫は、生まれたての子鹿のように両手を縮めて、ぶるぶる震えながら男優の腰の動きに耐えている。強烈過ぎる快感は、既に心地よさを通り越して、拷問の域に達してしまっていた。
「うおおおっ!」
ペニスを引き抜くと、男優は美姫の顔に大量のスペルマを吐き出した。男優が去った後も、美姫の体は快感の余韻でぴくっ、ぴくっと撥ねていた。
「あっ! あああっ!」
一人が去ってすぐに、次の男優が挿入してきたのに気付いて、美姫は狼狽えた。
「お、お願い、もう、うううっ!」
哀願しかけた美姫の膣を、二人目の男優が突き刺す。美姫の言葉が途中で途切れる。
「す、凄いですね、監督」
ADが、監督を兼任している辻本社長に耳打ちする。社長は、満足げに頷きながら、美姫の痴態を眺めている。
「本当に、SMだけじゃなくてレイプもののNGまで外すなんて、耕平ちゃんは大したもんだよ。今度会ったら、特別ボーナスをはずむからって伝えておいて」
二人のやりとりを、恭子は後ろで聞いていた。今回、美姫とダブル主役だった恭子は、既にレイプ・シーンの撮影を終えて、美姫の演技を見ていた。
だが、レイプ役の男優の数から言っても、回すフィルムの尺から言っても、美姫がメインであることは間違い無かった。恭子は単に、美姫が愚図り出した時の慰め役として起用されたとしか思えない。
美姫が三人目の男優に刺し貫かれたのを見た後、恭子はそっとその場を離れた。既に失神寸前の美姫の声が、恭子の背中に響いた。
恭子の予想通り、耕平は行き付けの屋台でおでんを肴に酒を飲んでいた。辛いこと、苦しいことがあった時、耕平はいつもここで飲んでいるのだった。
当たり前のように、恭子は耕平の隣りに座る。耕平もまた、黙って恭子にコップを回してやり、自分の酒を注いでやる。
「美姫ちゃんの撮影、順調だよ」
「そうか」
「結構、度胸あるよね、あの娘。きっといい女優になるよ」
「そうだな」
耕平は、自分から話を聞こうとはしない。美姫のことを忘れるために飲んでいるのだから、要らぬ話を聞かすなという気持ちが、ありありと感じられた。
だが、まだ忘れられていないことは、辛そうな横顔で分かる。こんな寂しい耕平を見ていると、抱き締めてやりたくなる。
そんな気持ちを抑えて、恭子はコップ酒を一気に飲み干した。耕平が、驚いたような顔で恭子を見ている。
「耕平、今日は飲もう!」
「あ、ああ」
「私が最後まで付き合ってあげるから。今日はとにかく、べろべろになるまで、飲もう!」
耕平の顔がようやく、少しだけ、明るくなった。
「ありがとう」
そして、空になった恭子のコップに、酒を注ぎ足した。こうしていると、耕平と恭子はなかなか似合いのカップルだった。
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