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 近付いてくる人影に、女は素早く隠れた。
 女の名前を、香奈と言う。火柱の香奈の二つ名で通っている女忍者だった。
「あ、あれは」
 人影が誰か気が付いて、香奈は唖然とした。それは、仲間の咲であった。
 咲は全裸である。自分がそんな恥ずかしい格好をしていることにも気が付かず、ふらふらと歩いている。目の焦点が定まっていない。足元が覚束ない様子で、今にも蹌踉よろけてしまいそうだ。
 香奈は辺りを見回す。これは敵の罠かもしれないと警戒したのだ。
 だが、どうやら辺りには誰も居ない。
「咲!」
 香奈は咲に走り寄る。香奈の方に顔を向けても、咲の目は焦点が定まらない。香奈のことが見えているかどうかも分からない。
「ああっ」
 時々、咲の体が震える。咲の口から、悩ましい吐息が洩れる。まるで香奈を誘うように、唇をちろりと舐める。
 咲は膣の中に、一匹のひるを挿れられていた。
 お清がくノ一を責める時に用いる、特別な蛭である。口に毒を持っている。
 毒といっても、命に別状があるものではない。だが、これに噛まれると無性に痒くなる。咲の膣の中は、この蛭にあちこち噛まれて膣壁全体がずきずきと疼いていた。
 咲の血を一杯吸った蛭は膨れ上がり、咲の膣に充満している。痒くて仕方の無い膣の中をまるで男根のように満たし、しかもぞわぞわと常に蠢いている。
 それだけではない。お清は咲を放す前に、惚れ薬を塗り込んだ針をもう一度刺しておいた。咲の理性は今も惚れ薬の薬効で痺れている。乳首や陰核が腫れ上がっているのは、薬の効き目のせいだった。
 惚れ薬の魔力と、蛭の毒の痒みと、そして膣を満たした蛭の体の蠢きと、三種の責めに同時に責め苛まれ続けて、咲はすっかり色惚けてしまっていた。
「咲、どうした、しっかりしろ! あっ!」
 香奈は咲に押し倒された。物凄い力だった。一体、咲の細い体のどこから、こんな力が湧いてくるのだろう。
 香奈は、身動きが取れなくなった。
「やめろ、咲! しっかりしろ! あっ! う、うんっ!」
 必死で抵抗する香奈の唇を、咲が塞ぐ。そして強引に、舌を割り入れてくる。
 香奈の抵抗が弱まる。
 もし今、本気で抵抗しようとすれば、できないことは無い。早い話が、割り入れてきた舌を思い切り噛んでやれば、さすがの咲も我に帰るはずだ。
 それができなかったのは、香奈の中に秘かに芽生えていた、咲に対する同性愛的な憧れの感情だった。
 咲を抱き締めたい。あの唇を奪ってしまいたい。いつもそう思っていた。思っていながら、必死でその感情を押し殺してきた。
 思いも寄らず、咲の方から香奈の唇を奪いにきた。香奈の心が揺れる。このまま任務も何もかも忘れて、咲の愛撫に身を任せてしまいたい。そんな誘惑と、必死で戦っている。
 香奈が葛藤している間に、咲はどんどん責め立ててくる。香奈の衣装を剥ぎ取ろうとし、香奈の体を愛撫しようとする。香奈の双つの乳房は早くも剥き出しにされ、咲の両手で揉みしだかれている。
「いけない、咲。やめろ。駄目だ」
 力の萎えた腕で、それでも必死で抵抗しようとする香奈の乳首を、咲の唇が咥える。香奈の体が、ぶるぶるっと震えた。
「い、いけない、咲。それ以上は、もういけない」
 それでも咲は攻撃の手を緩めない。うっとりと欲情した瞳で香奈を見詰めながら、乳首を吸い続ける。
 香奈の両手が、咲の頭を抱き締める。
「しらないから。それ以上続けるのなら、もうどうなってもしらないから」
 そして香奈は咲の両脚の間に膝を割り入れて、太腿で咲の膣口を圧迫し、擦り上げた。咲は悲鳴を上げ、なお一層熱心に香奈の乳首を責めた。香奈は悲鳴を上げて、一層強く咲の頭を抱き締めた。
「ああ、香奈、香奈、もっと強く、もっと強く私を責めて」
「咲、咲、し、しらないから。本当にもう、私はしらないから」
 痴れ狂ったように求め合う咲と香奈の足元に、人影が忍び寄る。お清である。
 足先に針の刺さる感触に理性を取り戻した香奈は、咲の腕から擦り抜けようとする。だが、咲がそれを許さない。
「待って、咲! 敵が居る! 敵が居るの! く、ううっ」
 再び、咲に唇を奪われる。香奈は必死で振り解く。
「落ち着いて、咲! 今は駄目! 本当に駄目!」
 咲の唇が、香奈の乳首を襲う。香奈の体がぐんっと硬直し、大きく反り返る。
「ああっ、ああああああっ!」
 強烈な感覚が香奈の背骨を貫く。香奈の頭は、一瞬で真っ白になってしまう。さっきから刺激され続けていたことを計算に入れても、その感覚は強烈すぎた。
「ま、待って、咲。お、おかしい。こんなの、おかしい!」
 まるで香奈の言葉など聞こえていないかのように、咲は香奈の乳首を吸い続ける。
「な、何? 何なの? これ、何? あ、ああああああっ!」
 咲の指が、香奈の膣に潜り込んでいく。そこはもう、ぐっしょりと濡れていた。
「さ、咲」
 香奈は、諦めたように全身の力を抜いた。両腕の、両脚の力をぐったりと抜いて、咲の愛撫に身を任せ切ってしまった。
「う、嬉しい」
 そして香奈は、ただの女になった。咲に触れられては、抱き締められては、悲鳴を上げ、呻き声を洩らし、身を捩らせた。
 お清はさらに近くに寄っていき、香奈の股間に何かを挿れる。それは、咲を狂わせた、あの蛭であった。
 やがて蛭は香奈の膣壁のあちこちに噛み付き、艶めかしい痒みで香奈を狂わせるだろう。一杯に吸った血で膨れ上がり、香奈の膣を満たし、男の魔羅のように香奈の膣の中で暴れ回るだろう。
 今、香奈は、強烈な快感に身を打ち震わせて悶えている。だが、本当の愛欲地獄はこれから始まるのだということに、まだ気が付いてはいない。



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