ホットエンターティメント
『オープンカーでスカートの切れ目から電動マッサージ器を突っ込んでイタズラするのが最高』
宝生瑠璃 @
ラブホテルのダブルベッドの上で、瑠璃は腹這いになって携帯電話を弄っている。
黄色いシャツから背中がはみ出しているのは、最近流行りのヘソ出しルックというヤツだ。ジーンズ生地のホットパンツから肉感的で長い脚が伸びてきている。銀色のミュールを足先でぶらぶらと揺らしながら、瑠璃はしきりに何かを打ち込んでいる。
「誰とメールし合ってるの?」
監督に呼び掛けられて、瑠璃が振り返る。コケティッシュな顔。綺麗な二重瞼の下の目はいつも眠そうにしているような気怠い雰囲気だし、八重歯の覗く口元は、笑っているようで笑っていない。さり気なく背中に回された手は、監督のイヤらしい視線が露出した自分の背中に注がれることを拒絶していた。
瑠璃は、いわゆる「ギャル語」のイントネーションで、監督の問いに答える。
「彼氏」
「え?」
「彼氏」
「彼氏とメールし合ってるの?」
「うん」
「ねえ?」
「うん」
監督は、瑠璃の足元から近付いていって、ぶらぶらと揺れている足首を掴み、それを左右に割った。瑠璃の両脚は、膝を閉じ合わせたままの姿勢で左右に倒される。ホットパンツの隙間から、瑠璃の豊かな臀部の裾野が覗いて見える。
このホットパンツは監督が撮影用に用意したものである。全てのポケットの底を切り落として、中に手を突っ込むとそのまま瑠璃の下半身に触れることができるようになっている。
そして、ホットパンツの下はノーパンだった。このスタイルのままオープンカーに瑠璃を乗り込ませ、衆人環視の中でイヤらしい悪戯をしようというのが、今回の企画だった。
「彼氏、知らないんでしょ? この仕事のこと」
「知ってるよ」
「え?」
「知ってる」
監督が瑠璃の両脚の間に膝を割り込ませ、お尻を揉み初めても、瑠璃は監督に背中を向けたまま、知らぬ顔でメールを打ち続けている。露骨に拒否はしていないものの、監督に敬意を払うつもりは無いことを、全身で表している。
「知ってるの?」
「うん」
「じゃあさ、今彼氏にメール打ってくれる?」
話をしながら、監督は瑠璃のホットパンツの裾を捲り上げる。瑠璃の恥ずかしい場所が、ホットパンツの隙間から顔を覗かせる。
それでも瑠璃は動じない。知らぬ顔でメールを打ち続けている。
「どうやって?」
「今、監督に、アナルを見られてますって打ってみて」
「いいよ。ははは」
「それも、撮るからね、ちゃんと。送る前に見せて。文章。それ、撮影するからね」
相変わらず股間を露出させ続けている監督に見向きもせず、瑠璃は言われた文面を携帯に打ち込んでいく。
「ちゃんとチェックするからね。彼氏は、お尻の穴、見る?」
「たぶん」
どうでもよさそうな口調で、まともに会話を受けるつもりはなさそうな口振りで、瑠璃が答える。
「やっぱり? 監督が今、お尻の穴を見てますって、入れて。チャンと」
「うん」
「それで、綺麗だと言ってくれていますって。ね?」
「うん」
「できたら言ってね、できたって」
瑠璃は、文面を打ち込み終わった携帯電話を監督に見せる。表示画面には、
「聞いて〜なぜか今ね〜監督さんがァタシのぉ尻観てアナル綺麗だねって言ってきた(?_?)笑える〜(^O^)ゥキャキャ〜ワラ
こう書き込んであった。監督が期待した文面とは明らかに違うし、監督のセクハラめいた言動を軽く流してしまう強かさを感じさせる内容だった。
だが、監督もまた、そういうギャルたちの扱いには慣れているのだろう。特にその文面に文句を言うことも無く、携帯を瑠璃に返した。瑠璃はそれを発信する。
「返事くるかな、それ?」
「ハッ? ってメールが返ってくるかもしれない。はは」
「返ってきたら教えてね、一応」
言いながら、監督の手はお尻から瑠璃の脇腹に這い上ってくる。脇腹の抓むように、揉むようにして、そこを刺激する。
瑠璃は、触られていることさえ気が付かないふりを通している。
「じゃあ、説明するから、一応」
仕事の話が始まって、瑠璃はようやく顔を後ろに向ける。監督の手は、脇腹から少しずつ上ってきて、乳房の裾野の辺りに到達する。そしてそこからまた、下に降りていく。
「マネージャーから今日のこと、何て聞いてる?」
「マネージャーから、オープンカーで弄られ、その後ホテル行って、で、なんだったっけ」
「セックスするって言われた?」
「うん。セ〜ックス! だよって、言われた」
「うん」
「了解って」
監督は、ホットパンツに付いているお尻のところのジッパーを開けて中に手を突っ込んだ。
「これだと色んなところに穴が開いているから、そこに手を突っ込んで、色んなことができるわけだよね、これ」
「はああ」
監督の手が、瑠璃のお尻をペシペシと叩き始める。それでも瑠璃は知らぬ顔をしている。
「だから普通、公然猥褻にはならないってことだよね。見えてないってことだから」
「ふっふっふっ、見えてはないってことね」
「一般の人には見えないでしょ? ね? こうやって手を突っ込んでも、分からないんだ、だから」
監督の手がまた、お尻のジッパーの奥に突っ込まれる。そして、下の方に向かって伸びてくる。
「うん。ううっ!」
この時初めて、瑠璃は監督の愛撫に反応する声を洩らした。股間の一番敏感なところに手を触れられ、振動を加えられたのである。
だが、監督はそれ以上深追いしてこない。瑠璃が声を洩らしたとたん、愛撫していた手を引っ込めてしまう。
「ね? 分かった?」
「ううっ」
二度目の呻き声は瑠璃の照れ隠しである。さっき上げてしまった声は別に感じていたから出した声ではない。ちょっとそういう声を出してみたかっただけだと思わせようとしているのだ。
もちろん、そんなわざとらしい芝居を、監督が信じる訳もないのだが。
「プライベートで、ノーパンとかは?」
瑠璃はわざとらしく欠伸をしながら、質問に答える。
「ふああ。酔っぱらって……」
「え?」
「はああ、酔っぱらってたまにしてる」
「外でブチュブチュ触られてるんでしょ、彼氏に」
「触られてる」
「ねえ?」
「うん」
話している間も、瑠璃はメールを打ち続けている。監督は瑠璃の背中に体を密着させるようにして圧し掛かり、乳房の下に手を差し込んでいく。
「どこで触られたの?」
そして乳房を思い切り揉みしだく。
「ううんっ! 居酒屋」
胸を揉まれて、また瑠璃の声に辛そうな調子が混じる。それでも瑠璃は、携帯を打つポーズを取り続ける。
「お○んこグッチュグッチュ触られたんだな? ノーパンで?」
「あっははっは」
笑うふりをしながら、頭の動きだけで答える。
「居酒屋で」
「うん」
携帯電話の蓋を閉める。さすがにもう、画面に集中するのが難しくなってきたのだろう。
それでも瑠璃の顔には、こんなのなんでもないとでも言いたげな作り笑いが浮かんでいる。
「で、逝かされたんだ。居酒屋で。酒が入っているから」
「よく、逝くね」
「いやらしい」
「ふふふ、普通だよ」
相変わらず瑠璃の手は携帯電話を玩んでいる。だが、改めてそれを開こうとはしない。
監督の手は、瑠璃の乳房をいやらしく揉み続けている。瑠璃は瑠璃で、監督のされるがままになっている。
瑠璃の手の中の携帯電話に、彼氏からの返信のメールは戻ってこなかった。
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